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猫七 プロローグ・エピローグ

神奈川県横浜市の家 プロローグ・プロセス・エピローグから成るストーリーをご覧ください
東京都立川市 一級建築士事務所 鍵山建築設計

プロローグ                                                  エピローグ

ビルトインガレージ 二世帯住宅  屋上 中庭 ペット共生住宅

ここに登場するまでが、今までで最高に長いお付き合いのお客様です。

“おそらく”4年くらい前、わたくしどもの事務所にご相談にお越し頂いて、当時検討していた『当時のお住まいの近く、埼玉県羽生市の土地を購入する話はもちろん、ケーキ作りの話、』などなど大いに話が盛り上がり、懸念している事が解決次第、この土地を手に入れる方向でその日は終わりました。

心配はしていましたが、いつの間にか時はすぎ、“羽生”の文字を見るたびに、遠くの人が来てくれた事もあったと思い出している程度でした。

そんなある日、『覚えていないと思いますが、』と一通のメールが届きました。奥様の実家近くに引越し、土地探しをしている真っ只中との事。

一件、気になる土地は気に掛かるところもあり、躊躇している間にご出産の予定も出来、ご実家の土地で二世帯住宅の建設となりました。


いよいよ三世代とネコ3匹(後に7匹に)の楽しい生活が始まります。

 

プロセス
2009.10.15

既存家屋の解体工事

思い出の詰まった家を取り壊す・・・。
思い出を少しつまんで残し、新しい家に繋げていく。

そして又、思い出づくりが始まります。
2009.10.20

屋根瓦が降ろされ、続いて、野地板・垂木・母屋・棟木等も取り外され搬出された。

この面は陽のあたる南面である。と共に風の道にもなっている。
陽が差し込み、風が通り抜ける。
瓦屋根といえば、重い建物に見なされることも多く、地震に対し不利にはたらきます。
当事務所は、稀にくる大地震の対策として、軽い屋根をおすすめしています。
又、昨今は各自治体の助成金の後押しもあって、昭和56年以前の木造(在来工法)住宅の耐震診断を依頼されることが多くなりました。
2009.10.22

穏やかな天候が続き、予定通りに作業が進んでいる。
2階部分はすでに解体され、1階部分の半分以上は終了した。

住宅を造るのはとても工期を要するが
壊すのはあっけなく終わってしまう・・・。

それでも、以前と比べ、建設リサイクル法の届出や分別、適切な場所への搬出(産業廃棄物処分)等で、家屋解体工事も丁寧な作業を求められ、簡単に処分するわけにはいかなくなっているのも事実です。
2009.10.27

家屋解体作業は終了した。
既存樹木の除去作業も今日中には終了し、
更地となる。

更地のときは敷地が狭く感じ、棟上(骨組み完了)時は広く感じ、屋根、外壁工事終了時は又、狭く感じる。

こういった事象を家造りのプロセスで実感することができる。
建替えなので、家族全員が居を移して仮住まいをしています。           

二世帯住宅としてのプレ同居にもよい機会なのは言うまでもありませんが、実は、この同居、7匹の猫も一緒に仮住まいを始めています。イタズラされても寛大な優しいご家族の皆さんに恵まれ、冷暖房完備にしてもらっているとか・・・。
2009.10.30

現場監督と大工さんに敷地の実測をして頂きました。立入禁止の札もつけるようお願いしました。
道路との高低差、敷地にも屈曲点が数箇所あります。
実測したものと確認申請図面と慎重に照合しながら、来週のはじめに、建物と敷地境界線の離隔とレベルを決定します。

なにしろ、道路斜線、高度斜線の高射砲の
攻撃をかわさなければいけないので・・・。
道路斜線、高度斜線は斜線制限のことです。
斜線制限とは、建築物の各部分の高さに関する制限のこと。
建築物を真横から見たとき、空間を斜線で切り取ったようになることから、斜線制限と呼ばれる。通風、採光等を確保し、良好な環境を保つことが目的である。
2009.11.02



建設会社社長、現場監督、基礎屋さん、水道屋さんと打合せ。
 
設計図面と照合し境界ポイントとレベルの確認。
 
雨水、汚水、雑排水経路、深さ等の質疑の回答と 今後の工程について打合せを行った。
現場監督は現場管理者です。
基礎屋さんは地下室コンクリート工事、水道屋さんは給排水衛生設備工事、電気屋さんは電気設備(換気)工事をします。
因みに工事監理者は当事務所の係員となります。
2009.11.05





地下掘削工事が始まりました。
深さは2.1m程度掘削します。

既存のブロック、玉石の擁壁は脆く、すぐ倒れてしまいました。

それにかわって、鉄筋コンクリートの現場打ち擁壁が新設され、万全になります。
玉石できた擁壁(土留め)は大地震時に崩壊する可能性があります。
建物と充分な離隔(法定距離)をとるか、新築時に造り直すことをおすすめしています。
2009.11.06



引き続き掘削工事
隣家のすぐそばまで掘削が進んでいるので、
安全対策を講じるよう指示をしました。

掘削行為は着工を意味します。
法定看板を掲示するよう指示をしました。
掘削は10日までかかりそうです。
2009.11.11



          

やま(崖崩れ)がこないように養生しました。
敷地周囲にも安全バーが取り付けられました。
肝心の隣家の落下防止の措置がされてない。
至急取り付けるよう指示しました。

隣家の土留め工事終了後、続けて掘削工事となります。
2009.11.12





隣家の落下防止のロープが張られたが充分ではない。再度指示しました。

看板も建築基準法による確認済のみ掲示されましたが、その他の建設業法の許可票と労働保険関係成立票が掲示されていません。

特に緊急時の連絡先が不明では用成しませんので、掲示するよう指示しました。
2009.11.14





隣家安全対策を重視し、掘削を中断させ、
土留め用H鋼の打込みを先行させました。
これで、ひとまず安心です。

工事関係者の皆さんお疲れ様でした。

掘削を再開し、掘り進めながら、H鋼とH鋼の間に矢板(土壁が崩れないように押える為の木製土留め板)をはめ込み、順次下に落とし込んでいきます。
2009.11.18


仮設用土留めの完了です。

保全のために重要な工事です。
11月24日にをスウェーデン式サウンディング試験の地盤調査を行います。

手作業の調査と専用機械を使っての調査があります。
当事務所は調査会社に手作業でお願いすることが多いです。
どちらの方法も一長一短があります。

専用機械は敷地の高低差や既存建物の狭い通路部分に阻まれ調査ができないことがありますが調査結果は誰が行っても同じ結果になり、ブレがないのが良いと思われます。手作業の場合は作業員によって多少のブレが生じることがありますが、経験豊富な作業員が得る、地盤の微妙な感触による情報は貴重であり、次の工事に繋げて行く事ができます。

当事務所はポイント調査を最後まで見届けることによって、軟弱地盤の判定や地盤補強の内容を把握することができ、適切な杭事業ができると考えています。
2009.11.24





地盤調査を行ないました。予想はしてましたが、やはり軟弱地盤でした。
地下室のほぼ低盤レベルまで(2.1m程)掘削しての調査なので5m~7.5mの杭で間に合いそうです。
水位は今の地盤から1mのあたりです。
早急に結果を分析し杭の種類と、方法を検討し、地盤補強工事を行ないます。

雨水及び汚水の下水管引き込み工事が11月26日に行ないます。
雨天は順延になります。
下水管引き込み(敷設)工事が完了しました。                     
地盤改良工事は掘削しての調査のため工事内容が判明するまで日数が必要、内容確認の上実施します。その間に地下躯体工事の施工図等の確認(チェック)をします。
杭工事は12月19日の予定でしたが、12月26日になりました。
地盤補強工事には色々な工法があります。一般的には柱状改良と鋼管杭のどちらかの工法になると思います。どちらも一長一短あります。ここは慎重に、コスト、施工性を考慮し、決定します。
2009.12.26





 

地盤補強工事

現場が動き始めた。
文字どおり、地固め工事です。
下準備の工事であるが重要な工事です。

重機の音は気になるが振動は思ったほど無く、隣家に及ぼす影響は少ないと感じます。

5人の作業員がコンビネーションよろしく、
役割をこなしていたので安心しました。
2009.12.28



地盤補強工事
この鋼管杭工法は、杭先端支持地盤を有効に利用するため、杭径の3倍程度の螺旋翼(先端拡底翼)を取り付けた先端拡底型工法です。
この工法は、上記の鋼管杭を回転貫入し、基礎下部に配置する工法です。杭頭部に回転トルク及び圧入力を与えることによって地中埋設し、地上部では、無排土の状態で回転貫入する。また、低騒音・低振動での施工が可能であり、先端根固めのセメントミルクを使用しないことから、排土処理が一切不要であり、土壌汚染の心配が無く、環境に与える負荷の小さい工法である。
2010.01.06



地中排水設備配管工事

耐圧盤の工事をする前の先行配管。
法定勾配をとりながら配管します。
地中梁を貫通しない方法で指示しています。
2010.01.12



捨てコン打ち工事

捨てコンを打つことによって、
地中梁の位置の墨出しと配筋工事を、
スムーズに組むことができます。
2010.01.13



地中梁の配筋工事

芯墨はだしてあるが梁巾の墨がない。梁の出入り部分で誤りが無ければよいが・・・。
2010.01.14



耐圧盤の配筋工事

やはり、墨を丁寧に出さなかったことで、梁幅にブレが生じている。

少しの台直しでいけそうです。
この辺は、監理者の指示通りに、行なって欲しいところです。
厳重注意です。
2010.01.18







1回目の中間検査  
耐圧盤配筋検査です。

民間検査機関と
住宅瑕疵担保責任保険 まもりすまい保険の
検査を行ないました。

壁の配筋も完了しました。
2010.01.20





躯体防水
現場で生コンクリートに防水液(混和剤)を
混入し、ミキサー車で60秒以上混練し、水密性の高いコンクリートを作ります。

鉄筋が多く、コンクリートが入りにくい、箇所にコンクリートバイブレーター(赤で囲まれた部分)をかけています。


防水シール
耐圧盤(床)と壁の打ち継ぎ部分に
水膨張能力で止水します。
防水リング
セパレーター用パッキンで水膨張能力で水みちを止水します。
2010.01.22



コンクリート打ち放し用パネルの型枠が立ち上がりました。

電気屋さんがコンセント・スイッチ等の配管・配線をしています。
2010.01.25





 
スラブの型枠工事が始まりました。
終わり次第、スラブ配筋をします。
2010.02.02



明日、コンクリート打ちです。

現場監督、地下室工事業者さんと最終確認しました。
2010.02.04








 

 
現場コンクリート打ちを実施しました。

躯体防水を採用しています。
防水液を生コン車に混入します。

ブーム付きコンクリートポンプ車で、
生コンクリートの圧送作業を行ないます。

壁立ち上がり及びスラブ、そして擁壁の全て
打ち終わりました。

地下室工事業者の親方は最後まで残って、スラブの天端を、均しています。感謝です。
2010.02.08





 

1階の建て方(軸組み)が終了しました。

昔ながらのクレーンを使用しない方法で
建て方をしました。

大工の皆さんお疲れ様です。

棟上は2月15日になります。
今日はとても、いい天気です。
2010.02.10








 

 
少しずつ職人の気質が穏やかになってきています。

少しずつ私共の設計の工事現場に成りつつあり、いい意味での緊張感がでてきました。

地下コンクリートが無事完了して、
ほっとしています。

コンクリートは硬めに打った割には
表情もくっきり出て、よくできています。
少しずつ、明るくきれいに変化します。

棟上が完了すれば、ピッチがあがってくると思います。とても、楽しみです。
2010.02.15







無事棟上が終了しましこのページの先頭へ

小屋組みの登り梁(山形)をかけてます。
登り梁を使用している住宅は少ないと思います。

私どもはこの登り梁を多用しています。
これが有ると無いとでは塊感が全然違います。とても丈夫になります。

当該住宅は地下室をいれて3層(ロフトを入れると4層)になりますので、木造部分も構造計算バッチリしていて安心です。
2010.02.20







 

 
祝上棟式
良い天気に恵まれ、上棟式を行なう事ができました。工事の安全、家内安全を祈念する為の四方祓いをおこないました。
やっとここまで辿り着いたなーと、感慨一入でした。

監督さん、大工さんと合板の止め方、板金の納まりについて、打ち合わせをしました。
2階、屋上床合板が張り終えてました。

施主から、この地の銘柄の純米酒を頂きました。桧のお猪口で飲む酒はまた、格別です。
嬉しいですね。ありがとう。
2010.03.02







外回りの構造用合板が終了しました。
サッシの搬入を確認しましたので、明日から取り付けに入ると思います。
大工さんから、「細かい図面ですので取り付ける位置で悩むことがないです。」
監督さんからは「図面を拡大するだけで
詳細が分かりますので、助かります。」
二人から、同じようなことを言われました。
素直に喜ぶことにしました。
構造材もしっかり入っています。
接合金物も終了しました。
左下写真の三角形の部分がオリジナルのトップライトです。
3月8日に2回目の中間検査を受けます。
2010.03.08





2回目の中間検査

主に接合金物の検査です。

民間検査機関と住宅瑕疵担保責任保険 まもりすまい保険の検査を行ないました。

無事合格しました。

躯体防水(地下コンクリート部分)の最終工程の耐圧盤と壁のジョイントのはつり及び防水液の散布を行ないました。
2010.03.16







型枠が外れて、打ち放しコンクリートが表れました。

黒っぽい部分は少しづつ、明るいグレーに変わっていきます。


          
2010.03.23









 

今日は板金屋さんと打ち合わせです。
屋根カラーガルバリウム鋼板の2種類の葺き方とトップライト、折れ屋根部分と笠木との取り合い等の指示をしました。

玄関ポーチの真上のバルコニーの下地ができています。
オープンスライドサッシの開口部も見えてきました。
温水床暖房の設置、給排水換気工事、外壁の防湿シート張り等がほぼ、終了しています。
照明器具、コンセント、スイッチ、換気扇、給気口の位置を指示しました
2010.03.30





 

電気器具の位置の打ち合わせです。
電気屋さんに「電気配線等の数は今までで最高です。」と言われる程、できる限り綿密に設計していますので、器具の位置は慎重に指示します。
内壁にはたすき掛けの筋かいが
沢山入っています。
地下付きの木造住宅の筋かいは
2割以上、多く入れています。
2010.04.04



施主現場見学会及び色見本の
打ち合わせをしました。

浴室の引き違い戸が取り付けられ、
FRP防水の上、タイル工事に入ります。
2010.04.13





床暖房用のクリの無垢フローリングです。
少しグレーっぽいユニークな色味です。

三角形の階段の段板です。オークの集成材を使用し、厚さが40mmあります。
塗装見本の確認をしました。

現在、階段の取り付けの最中です。この辺の細かい作業が終わりますと石膏ボード張りに進みます。

まだまだ、大工さんの仕事は残っています。
洗面化粧台、アイランドキッチンの後ろに設置される家具、トイレの家具、階段手摺、その他色々です。
2010.04.20






 
階段の段板の取り付けが始まりました。螺旋部分の中心部の取り付け面が小さいので板と板の重ね代を増やしています。

外壁の大壁工法による、ボード張りも始まりました。専門の職人さんが取り付けを行います。

木製窓枠の取り付け、専用金物を使用して、しっかり取り付けを行います。
          
2010.04.25







 

地下室の階段が表れました。堅いコンクリートのイメージを和らげています。

傾斜地に建つ、この家は地下室のドライエリアの土留めの高さを少し押さえることができ、地下室を明るくできました。排水もポンプアップせずに排水可能となりました。

屋根の作業が始まりました。リバプールブルーの屋根の色は明るく、マットな感じです。
これと同じ色で水切り、笠木等に使用しています。
浴室のFRP防水が施されています。施主お気に入りのタイルが貼られます。
2010.05.11






 
大工さんによる家具工事
シナランバーコア合板を多用した、造り付け家具が出来てきました。

上段の左の写真が洗面化粧台+鏡付き吊り戸です。洗面天板にデュポンコーリアンを取り付けします。
上の右の写真がアイランドキッチン背後の
二の字の食器戸棚です。

下の左が小屋裏です。癒しの空間になるでしょう。人も猫も・・・。
浴槽が据えられました。
2010.05.18







大工さんがアイアンウッドの手摺を取付中です。
三角のトップライトです。

物干しスペースの廻りの格子の柱を取り付けています。

地下のガレージです。
2010.05.21



足場バラシ

建物が現れました。
飽きの来ないステキな外観に
なりました。
2010.05.28





ランドリースペース。玄関ポーチの上部に当たりますので縦格子にて、視線を和らげています。
クロス貼りの下地処理の様子です。

ロールスクリーンの採寸もこの日に行いました。
2010.06.09



完了検査で無事合格しました。

グリーンハイキがビルトインされた大きなキッチンが据えられました。
2010.06.15








 

 
建物の完成・引き渡しが終了しました。

やっと辿り着きました。少し、ホッとしています。


ダメ工事が残っています。監督が変わりましたので、ダメ部分の指示を徹底しました。
神奈川県横浜市の家が完成しました。                   

エピローグ                                                  プロローグ

この計画が始まった頃、猫の入居予定は3匹でした。
それが、仮住まいの頃から7匹に増え、様々なアイテムも計画に入りました。


傾斜地

横浜市と言う土地柄、敷地に高低差はつきものです。
そこを活かして、一台は低い方から。もう一台は高い方から。
どちらも道路と同レベルでありながら、
2台の車が入り、スムーズな動線を描く事が出来ました。


二世帯住宅

子世帯が中心になる、メインのキッチンはオリジナル製作のアイランド型です。
天井をすっきりさせて、リビングとつながり、解放感が実感出来ます。
このリビングダイニングの上下で親世帯・子世帯の生活を、ほぼ分割しています。


庭庭庭

植物を育てる趣味の為のスペースは、南向きばかりでなく、ウッドデッキ下の日陰や、日がサンサンと当たる屋上、玄関前の細く長いスペースなど、適材適所に配置してあります。季節を感じる生活は、うるおいのある生活に繋がるはずです。




家族が集まるリビングに面して、大きな掃き出し窓があります。
テラスと一体化し、視線が抜けてとても広く感じます。
道路斜線によって削られた勾配天井を三角形のトップライトにしました。
空の様子が常に見て取れるこの窓は、ともするとデメリットとなる部分を、メリットに替えた、良い見本のように思います。